冥王星への想い・・アニメの持つ力
2006年 08月 26日
プラハで行われた国際天文学連合総会での新しい惑星の定義により冥王星が惑星ではなくなることになりました。
冥王星の発見者の母国、アメリカでは失望の声が多いとの報道ですが、実際の話、「あの冥王星が!」と世界でこの話にもっとも反応しているのは、間違いなく我々日本人でしょう。
家庭用の天体望遠鏡で夜空を眺めた時、火星に運河を見ることが出来ますし、木星に縞模様、土星に輪を見ることが出来ます。しかし、これが冥王星となると、まず判別はできません。良くて、光点です。
それにも関わらず、日本人は、というか少なくとも私の世代は、火星や土星のように冥王星の具体的なイメージを思い描くことが出来ます。
それは氷に包まれた世界で、寂しげなところです。太陽系のさい果て、外宇宙に出かける最終地点。
そして、そのイメージの原点は、あきらかに「宇宙戦艦ヤマト」か「銀河鉄道999」です。(^^)
地球を滅亡に追いやろうとするガミラスの前線基地があり、反射衛星砲に守られた星。はたまた、機械人になりながらも元の身体を捨てきることが出来ず、その身体を氷の下に永遠に保存する迷い星・・。
野尻抱影さんが選んだ言葉、松本零士さんによって提示された、さいはての淋しさを持った冥王星のイメージは、間違いなく日本人のDNAに組み込まれてしまっていると、私は、思います。
一昔前の、誰もが見ていた時期のアニメのパワーはすごいですよね。
発見時期のせいもあってホルストの組曲「惑星」の中に組み入れられることのなかった冥王星は、具体的なイメージを持たれることが出来ないまま、このあと外国ではどんどん忘れ去られていくことでしょう。(時々、ミッキーマウスの愛犬絡みで思い出されるかもしれませんが^^;)大体、もともとどのくらいイメージされていたかも怪しいような・・。
けれども、日本人の中では、冥王星は残るんだと思います。
「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」のイメージのままで・・。
惑星でなくなることで、よけい侘びしいイメージが増加されるかもしれませんしね(^^;;)
未来になって、「なんで日本人は、あんなさいはての小さな星のことを知ってるんだ?」と言われている気がします。
・・・
ちなみに
決められた”惑星"の定義は
1、太陽のまわりを回っている
2、自分の重量で球形を保っている
3、その軌道周辺に類似の天体がない(これからは二重惑星って、不可なんですかね?)
の、三つだそうです。
by cariq
| 2006-08-26 02:20