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「わんぱく王子の大蛇退治」〜日本漫画映画の最高傑作!  

2008年 04月 13日


伊福部さんが、自分の映像音楽の代表作としてこの作品を上げていたそうです。好きな作品、好きな音楽なので嬉しいですね。CDに交響組曲版がありますが、個人的にはそのまま”音楽物語”のような形にしてもらいたかった思いがあります。効果音も基本的には伊福部さんが作ったのだそうでそうした意味でもそのまま音楽作品としていけるのではないでしょうか。もう一度、コンサートとかで聴いてみたいです。

ともかく、「わんぱく王子の大蛇退治」というのは素晴らしい作品です。邦画の至宝でもありますし、漫画映画の最高傑作でもあります。これ以上の作品を作るのは難しいでしょうね。天地人すべてそろわないと・・(^^;)

お話は、誰もが知っている(と、思うのですが、”ゆとり教育”下では怪しいんですかね?)日本神話です。素戔嗚尊のお話です。

この作品には、多くの優れた人たちが携わっています。演出の芹川有吾、美術の小山礼司・・。
私はその中でも個人的には、原画監督を担当された森康二さんの大ファンです。森さんは戦後の日本のアニメーションの礎を築かれたお一人です。絵本や数多くの可愛らしいキャラクターを生み出されたましたが、ご本人が感じられていた本筋はやはりアニメーションで、その繊細な演技は本当に素晴らしいものです。私は、おそらく最も真面目に大量の映画を観ていた時期に(^^;)森さんのアニメーションを見て「いやあ、アニメってすごいなあ・・・」って、改めて思いました。(子供の時には、なんにも感じずに見てたんですけどねえ^^;;)

日本の劇場用アニメーション(漫画映画)は、この作品が公開された昭和38年、テレビアニメーションが始まると同時に方向性を変えていきます。フルアニメーションからリミテッドアニメーションへ、昭和33年の「白蛇伝」でスタートした東映動画の本格的な漫画映画はわずか5年でピークを迎え、衰退していくことになります。「わんぱく王子の大蛇退治」は、間違いなくその頂点の作品だと思います。

・・・
しかし、東映は作品の保存が良くないですよねえ・・。本作のDVDとか、ディズニーとはいいませんが、東宝くらいは見習ってちゃんと修復しろよなあ・・。
ということで、って、関係ないんですが、むかし古本屋で手に入れた本に「わんぱく王子の大蛇退治」のミュージカルシーンの資料があったのを思い出したので参考に・・。
作画用の細かいコンテのようです。
コンテ。この時期の東映はシークエンスを担当する原画マンが書いたということで、上の音楽用コンテと共に”ひこねのりお”(カールのCMなどで知られる人です)さんが、描かれたのではないでしょうか。
楽譜です。伊福部さんのオリジナルなのでしょうか?


・・・
タイトル 「わんぱく王子の大蛇退治」 昭和38年・東映動画作品

脚本   池田一朗、飯島敬
音楽   伊福部昭
美術   小山礼司
原画監督 森康二
演出   芹川有吾
原画   森康二、大塚康生、奥山玲子、永沢詢 、古沢日出夫
声      住田知仁、岡田由記子、久里千春  

# by cariq | 2008-04-13 23:47 | 見る | Trackback | Comments(2)

「鳥獣戯画がやってきた!」・・あ〜!うるさい(^^;)  

2007年 12月 10日


サントリー美術館でやっている”鳥獣戯画がやってきた!ー国宝「鳥獣人物戯画絵巻」の全貌”に、行ってきました。

昔から”鳥獣戯画”が大好きで、一度、全巻を見てみたかったんですよね。
しかし、本当に生き生きとした描画の絵巻です。特に、甲巻と丁巻が素晴らしい。”生"で見ることが出来て本当に嬉しかったです。

絵巻は、その長大なスペースの中に様々なものを内包した絵画様式ですが、そのわりに”動き"に乏しいものも少なくありません。特に、貴族生活を描いたものや、恋愛物語の絵巻などは、私にとっては”つまらないことこのうえない^^;”です。事象を描いたもの(合戦絵巻)も、細かな描写のなかに面白いものも内包されていますが、”出来事”が主役なので、全体が持っている躍動感的にはこの”鳥獣人物戯画”に匹敵することはできないようです。

”鳥獣人物戯画”は、対象物が"大きい"んですよね。だから、その生き生き感が良く伝わってくる。
昔の人の”アクション"を感じられる絵画はそうはなく、やはり、北斎か、この”鳥獣人物戯画”になろうかと思われます。

しかし、平安時代の末期から、鼻をつまんで、背中向けて川へダイブ(^^;)ですからね。日本人は、変わっていません(^^;;)

ほんとうに、すばらしいものを見ることが出来て良かったです。

・・・・
と、ところで。
作品は素晴らしかったですが、展覧会としては酷かったです。酷すぎたので、少し書きます(^^;)

・美術展なのか?博物展なのか?
いったい、どちらをやるつもりでこの「鳥獣戯画がやってきた!」展は、開かれたのか良く判りません。

大体、メインの「鳥獣人物戯画」が、会期中に展示替えを行われるので通して見ることが出来ないのです。(おかげで二回行きました・・)展示内容が多すぎるのなら判りますが、そういう訳ではありません。純粋に絵画としての絵巻を見るのであれば、それだけを見せられるスペースはあったように思えます。不必要な資料を展示することによって、本来、見せなければならないものを見ることが出来なくしてしまっていたとしか思えません。

例えば、「鳥獣人物戯画」の幻の欠損部分を補うための資料をいくつか展示していましたが、欠損部分が描かれているという価値はあるのでしょうが、「探幽縮図」以外のものは本当にそれだけの価値(美術的価値ではなく、歴史的価値)しかないでしょう。正直、普通であればあんなヘタな模写は見る価値ありません(^^;)部分だけで十分でしょう?

博物的な展示をするのなら、”復元図"をつくるべきでしょう?

美術展なら、副次展示物にもっとコンセプトを持たせるべきでしょう?”放屁合戦絵巻”に”お伽草子”って・・。滑稽画じゃないんだから・・。

まあ、曉斎や、”将軍塚絵巻”などのまともなもの入ってはいましたが・・。


けれど、本当に一番酷いと思ったのは係員の誘導です。
「立ち止まらずにどんどん流れていって下さい」
って、ず〜っと、ず〜っと、何度も何度も・・実に、うるさい

 ここにいる人たちは"絵”を見に来たんだ!!”もの"を見に来たんじゃない!!
 スーパーのレジ前じゃないんだから、そう簡単に流れるか!!

サントリー美術館、”美術館"が何をするところか、良く考えてろ!音声ガイドで、建物のコンセプトを自慢する暇があったら、自分の存在意義と係員の教育をなんとかしろ!(^^;)

ほんとうに、ただの金もうけでやっているように感じられます(^^;)

「鳥獣人物戯画」自体は、また、是非見たいので今度はべつのところでやって欲しいです。

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開館記念特別展
鳥獣戯画がやってきた!ー国宝「鳥獣人物戯画絵巻」の全貌

於:サントリー美術館
主催:サントリー美術館、読売新聞社
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# by cariq | 2007-12-10 22:13 | 見る | Trackback | Comments(0)

「天国と地獄」「生きる」名作リメイクを作る意味?  

2007年 09月 10日


テレビでこの土日にかけて黒澤監督の名作「天国と地獄」「生きる」のリメイク作品が放映されました。
映画でもまもなく「椿三十郎」が上映されることになっています。

このテレビ、ご覧になった方は、どのような感想をおもちになったでしょうか?

私は、残念ながらあまり良い評価をすることはできませんでした(^^;)

「天国と地獄」は、俊英演出家による小賢しい作品。
「生きる」は、なんともはや・・といったところでしょうか。

それでも、まだ、「天国と地獄」の方がましだったかな??
基本が、サスペンスですからね・・。正直な話、料理はしやすいかも・・。

「生きる」、脚色された市川森一さん、私は、「ブースカ」の頃からファンなのですが、今回は市川さんの良いところ(暖かい視線)が裏目に出ましたね。「生きる」は、もっと、はるかに”厳しい"作品のはずです・・。
まあ「天国と地獄」も付け加えられた部分は、”甘い”描写ですよね。必要ないでしょう。

しかし「生きる」は、本当に辛かった・・。演出が酷く、カメラが酷く、音楽が最低・・・。松本幸四郎には、かなり失望してしまいました。(実は、それだけ期待していました・・)一番良かったのは深田恭子ですね(^^)
お葬式のシーン・・あれはないでしょう?
ゴンドラの唄に陳腐なメロディをかぶせないで欲しい・・。

とまあ、書いてみましたが、私はオリジナルの大ファンですからね。私にとっては、もともとリメイクに何の意味もないのです。見たのだってただの興味本位です(^^;;)。

でも・・

と、その一方で、思うこともあります。

どのような名作でも、見てもらわなければどうしようもないということ・・。

黒澤監督の作品群の多くは、白黒です。セリフが、聞き取りづらいものも多いです。あの作品群を見ないのはまったくもったいないと思うのですが、興味のない人には、どうしようもありません。

とすると、定期的にリメイクをするのは、必要なのか?

難しいですよね・・。



ただ、どちらにしてもあんまり酷いのは嫌だなあ・・

「天国と地獄」「生きる」共にハリウッドでのリメイクの話は楽しみにしています(^^;) マーチン・スコセッシらしいということで・・

# by cariq | 2007-09-10 17:45 | 見る | Trackback | Comments(0)

「父親たちの星条旗」・・真実を知るものは黙して語らない  

2006年 11月 06日


太平洋戦争での硫黄島戦を舞台にした2部作の1作目「父親たちの星条旗」を観ました。

こういったお話です。

 アメリカ人にとって「太平洋戦争」を象徴する写真の一つである「星条旗を掲げる兵士達」。
 亡くなった父親の遺品を整理していた息子は、自分の父親が硫黄島の摺鉢山で撮られた有名な写真に写っていた兵士の一人であったことを知ります。しかし、彼は、父親からその話を聞いたことがありませんでした。
 厭戦気分が生まれ始めていたアメリカを勝利に導いたとも言える写真。写っていた兵士たちは、皆、英雄として迎えられていたはずなのに、何故、父親は黙っていたのか?
 硫黄島では何が起こっていたのか?生き残った英雄たちに、また兵士たちに母国がしてくれたことは?
 息子は、父親の生きてきた軌跡を、語られなかった出来事を辿っていくことになります・・。

・・・

 製作として名を連ねているスピルバーグは、この映画を観てどう思ったでしょうね・・?
 真摯であるがために地味になったきらいはありますが、結局はアメリカ万歳でしかない「プライベートライアン」に比べて「父親たちの星条旗」は、はるかにしっかりした”もの”になっていると私は思いました。
原題を直訳するとは「私たちの父親の旗」になるのですが、そのほうがイメージとしては普遍的に作品内容を掴める気がします。
”旗”が持つ意味が、普遍的になりますから。まあ、広告的には”星条旗”の方が良いのでしょうが、この映画は、様々な点で、もっと普遍的だと思います。戦場は、硫黄島でなくても構わないし、旗は、どの国のものでも良い訳です。
戦争と、個人と、国家とを描いている訳ですから、それを持つ国の人なら(つまりは世界中ですね^^;)どこでも重ね合わせられるものを描いた映画だと思います。

 イーストウッドという人は、スーパーヒーロー出身なのに(^^)きちんと地味〜に描く人ですよね。

・・・
 タイトル     「父親たちの星条旗(Flags of Our Fathers)」2006年・米映画

 プロデューサー  スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ローレンツ
 脚本       ウィリアム・ブロイレスJR.、ポール・ハギス
 音楽       クリント・イーストウッド
 美術       ヘンリー・バムステッド
 撮影       トム・スターン
 監督       クリント・イーストウッド
 出演       ライアン・フィリップ、アダム・ビーチ、ジェシー・ブラッドフォード

・・・
 しかし、生き残った人たちが、語らないのは何故なのでしょうか?
語ると”嘘”になってしまうからでしょうか?”軽く”なってしまうからでしょうか?”辛い”からでしょうか?

 その一方でしきりに”語る”人は、どういう人なんでしょうね?

 ”語り”がないと歴史が構成されない一方で、常に、眉に唾をつけなければ、と思うのは私だけではないですよね。

# by cariq | 2006-11-06 02:44 | 見る | Trackback(195) | Comments(0)

「ワイルド・ギース」・・お父さんの話をしよう・・  

2006年 09月 25日


戦争アクション映画の傑作「ワイルド・ギース」が、ようやくDVD化されました。

こういったお話です。

イギリスの実業家エドワード卿は、アフリカでの銅山の利権を確保するために、拘束されている黒人指導者リンバニ氏を利用することを思いつきます。そしてリンバニ氏を解放するために傭兵隊長のアランに声をかけます。
アランは、バラバラになっていたかっての部下達に声をかけ、新しいメンバーを加えた50名の傭兵隊を組織し、アフリカに降下します。
リンバニ救出作戦は、順調に推移し、軍事基地からリンバニ氏を奪取、脱出用空港の確保にも成功し、あとは迎えの飛行機を待つばかり。
ところが迎えに来るはずの飛行機が彼らの眼前で引き返してしまい・・。


 大好きな映画なのですが、なかなかソフト化されることがなく随分と久しぶりに観ましたが、やっぱり、面白いですね(^^)

 この映画の良いところは、やはり作戦へ向かってのディテールの細かさ(作戦のたて方、傭兵の集め方、訓練・・)と、人物の性格付けがはっきりしているところです。
 監督のアンドリュー・V・マクラグレンは、西部劇などで知られた職人肌の監督さんで、この作品なども類型的な人物描写と言われたりするようですが、短い時間の中の、複雑な状況を考えると、その人物描写、配置は、類型的と言われようとも見事に成功していると思います。
キャスティングもそうです。一目で、役割が判るようになっていて、人の役割に頭を悩ませることなく次々と変化していくお話に没頭出来るのは、娯楽映画にとってとても大切なことです。
 そして、ただの娯楽から特に彫りを深くしているのが参謀役のレイファーとアランとの関係ですね。この男同士の尊敬を持ち合った友情と、悲劇が、この映画を”良い”映画にしています。
アランは、レイファーのことを「傭兵なのに理想のある男」と言います。「俺は、金のために闘っているが、お前は理想のために闘った」
 天才的な戦術家で、宇宙戦艦ヤマトの真田さんみたいなこの男のバックグラウンドが、本当に、この映画に厚みを与えています。
この人の一人息子が、可愛いんですよね。この子を巡るくだりが”英国"なんです(^^;)”品”が、出てくるというか・・。そうしたところも、また、前述しましたがドンパチ前のディティールを描くところもハリウッドでは、出来ない映画になっていると思います。

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 タイトル   「ワイルド・ギース(THE WILD GEESE)」1978年・英瑞映画
 プロデューサー  イアン・ロイド
 脚本      レジナルド・ローズ
 音楽      ロイ・バッド
 美術      ボブ・ベル
 撮影      ジャック・ヒルドヤード
 監督      アンドリュー・V・マクラグレン
 出演      リチャード・バートン、ロジャー・ムーア、リチャード・ハリス、ハーディ・クリューガー

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 ところで、作品はともかく、商品としてのDVDには少し”?”があります。まず、高い!それから、特典が良く判らない? スタッフ以外の人のコメンタリーって必要ですか?(日本の小説家によるコメンタリーが付いています)。で、日本語吹き替えが付いていない。発売元の東北新社ってテレビ用の吹替も作ってる会社ですからねえ・・。何とかして欲しかった。(この作品のテレビ版は、別の会社が作ってたんでしょうかね?)
 それでとどめが、本編128分って、オリジナルは134分じゃないですか?6分どこいったんだ?早回しですか?なんか抜けているシーンがあるような気がしてimdb(映画のデータベース)覗きにいったら気がついてしまいました・・。おまけに、オリジナルのステレオが4-Track Stereoなのにも・・(DVDは、2.0 ch)
 出してくれるだけでも嬉しいっちゃア〜嬉しいのですが(^^;)発売会社様、がんばってくださいませ。

# by cariq | 2006-09-25 01:36 | 見る | Trackback(9) | Comments(0)

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